星より機材

天体写真いつまで経っても暗中模索

カテゴリ: 撮影遠征

3月15日、23時頃まで月は出ているのですが、後半戦勝負と言う事で、南の開けた湯河原の星が山公園に行ってきました。前回(9日)ノートPCの設定ミスで撮影出来なかった事もあったのでリベンジと言ったところです。
現地に着いてみると、雲は全く無いのですがモヤと言うかカスミと言うか視界が極めて悪い状態。通常ですと伊豆大島、利島、新島がはっきり見えるのですが、全く見えないという悲惨な状態で、帰ろうかとも思ったのですが、夜半過ぎ勝負なので、改善することを期待して設置を開始しました。
20時過ぎから、月はまだ高かったのですがテスト撮影を兼ねてM100~NGC4312を狙ってみました。
      M100~NGC4312
M100-2web
      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF1.4xⅢ Astrodon LRGBFilter
      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C
      L:5min x 27 RGB:各5min x 4
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:RedCat51 + ASI2600Duo + PHD2
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

テスト撮影とは言うものの、ガイドは暴れるし撮った画像の解像度は悪いしS/Nも悪いしで、帰ろうかとも思ったのですが、天候の改善を期待して撮影継続。0時過ぎからケンタウルスAの撮影を開始しました。同時にRedCat51でケンタウルスAからω星団にかけて狙ってみました。
      ケンタウルスA~ω
ケンタウルスA~ωweb
      RedCat51(250mm)IDAS LPS-D3 Filter
      ASI2600MCDuo Gain:100 Ofset:50 -20°C
      5min x 22
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:Puls Gude
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

      ケンタウルスA
ケンタウルスAweb
      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF1.4xⅢ Astrodon LRGBFilter
      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C
      L:5min x 19 RGB:各5min x 4
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:RedCat51 + ASI2600Duo + PHD2
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

結局天候は改善されず、S/N、解像度、彩度・・・良いとこ無しの結果に終わってしまいました。次回に期待。


3月9日、南方面の天候が良さそうでしたので、湯河原の星が山公園に向かいました。首都圏の明かりとか直下の真鶴町の明かりが入って来るのですが、この時期にも拘らず、気温が暖かく作業が楽なので何よりです・・・ 季節柄、被写体は銀河と言う事で、M64とM104を想定して、前回同様ε-160ED+ダブルエクステンダーで行こうと思っています。併せてRedCat51で銀河団が撮れればと思っていましたが、、、
前回同様にASCOMで接続しようとしたところ、赤道儀が繋がらない現象が発生!色々と試してみたのですが動かず、ネット環境もないので敢え無く撤収となりました。

翌日、動作チェックを進めたところ、何とパソコンの無線関連のスイッチ(ハード)がオフになっているのが見つかりオンにして動作確認が出来ました。(現地ではなかなか気が付かないですね)とにかく気を取り直して同日再出発しました。3月10日、北方面の天候が良さそうでしたので、ハルのパパさんと連絡を取り軽井沢へ向かいました。
早々に機材を組み上げて先ずはM64が上がって来るのを待っている間にFlat画像撮影。20時頃からM64撮影開始。今回はCanonのExtenderを1.4⇒2.0に変更して焦点距離1600㎜(F=10)にして撮影してみました。
      M64
M64-3Web
      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF2.0xⅢ Astrodon LRGBFilter
      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C
      L:5min x 9 RGB:各5min x 4
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:RedCat51 + ASI2600Duo + PHD2
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

L画像は撮影開始から25枚撮影していたのですが、地上の光とか迷光なのか分りませんが、バックにむらが発生してしまい、後半の9画像だけを使用して仕上げています。それ以外は特に問題はありませんでしたが、長焦点と言う事でガイドの影響が大きく出ていたので、今後の課題でだと考えています。
      M104
M104web
      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF2.0xⅢ Astrodon LRGBFilter
      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C
      L:5min x 22 RGB:各5min x 4
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:RedCat51 + ASI2600Duo + PHD2
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

M104を撮影する間におとめ座銀河団を撮影する予定でRedCat51を載せる雲台の角度を事前に家で設定してきたのですが、撮影された画像を見てびっくり。全く違う方向を向いているのが判明しました。多分、赤経と赤緯を間違えたと思われます。まだまだですね。

この新月期はなかなか安定した天候にならず、新月を過ぎた丁度三日月の日にハルのパパさんと連絡を取って嬬恋村に向かいました。今回はε-160EDでマンドリルを、同荷するRedCat51でカモメ周辺を撮る予定にしていました。以前マルさんにアドバイスを頂いた『事前に緯度経度の違いを調べておいて2台目の導入を確実にする』の為に事前に調整した雲台を用意して行ったのですが・・・
嬬恋と言っても撮影ポイントは何か所かはありますが、前日までの雪の影響を考えて除雪された道路わきを選ばざるを得ない状況でした。しかし南方向に森があってちょっとマンドリルは厳しそう。早々に予定を変更して、銀河狙いとしました。結果として、まずはNGC2403、その後にM63の撮影を行いました。
構成としては、ε-160EDにεエクステンダー160EDを取り付けEOSマウントを介して、更にキヤノンのExtender EF1.4xⅢ取付けてASI183MMProで撮影する、焦点距離1120mm、F値7.0の撮影系になります。この構成は過去にも銀河の撮影で実績がありますので躊躇なくシステム変更開始しました。
      NGC2403
NGC2403web

      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF1.4xⅢ Astrodon LRGBFilter

      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C

      L:5min x 32 RGB:各5min x 3

      Mount:CLUX200HDA

      Guide:GT-40 + Ultrastar + PHD2

      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

      M63

M63-2BXTNXTweb

      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF1.4xⅢ Astrodon LRGBFilter

      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C

      L:5min x 16 RGB:各5min x 4

      Mount:CLUX200HDA

      Guide:GT-40 + Ultrastar + PHD2

      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage


この日はシーイングも良く、結果として銀河に変更して良かったように思います。エクステンダー2本で無理やり焦点距離を伸ばしているので期待はしていなかったのですが、シーイングのほうが影響が大きかった様ですね。と言う事でM63の画像をトリミングしてみました。
M63-2BXTNXT-2web
実は10年前に8インチのシュミカセで撮影しているのですが、時代の進歩を感じました。

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

丁度新月に当たる11日の天候が良さそうでしたので、ハルのパパさんと連絡を取って撮影に行くことにしました。今回も前回同様ε-160EDの上にRedCat51を載せて、バラ星雲とクリスマスツリーを狙う予定にしています。またカメラもASI2600MCDuo を使用するのでパルスガイドを行います。但しガイドはε-160EDで行うのでガイドの状況は前回のRedCatとは変わってくると思われます。

と言う事で機材をセットして、バラ星雲を撮る前に2時間ほどAbell85(超新星残骸)を撮影しました。淡い被写体なので2時間では足りないのですが、初めての撮影となるのでお試しと言う事でスタートしました。尚、今回NoiseXTerminatorを試用してみましたが結構良さそうです。

      Abell85
Abell85web-2
      ε-160ED+εExtender160ED(800mm)IDAS NBZ Filter
      ASI2600MCDuo Gain:100 Ofset:50 -20°C
      5min x 24
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:Puls Gude
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

パルスガイドは、一応想定していた通りに順調に進みました。GT-40 の240mmからε-160EDの800mmに変わった為、ガイドの振れ幅は大きくなりましたが問題なくガイドしていたようです。引き続きバラ星雲をε-160EDに導入し、同時にクリスマスツリー周辺にRedCat51を例によって雲台を調整して導入。比較的明るい被写体なので前回のような画角を外すことはありませんでした。
スタートしてみると星像が甘くなっていたのでピントを合わたのですが・・・ バーチノフの回折光が出ないほどシーイングが悪い状況になっていました。この様な時は短焦点のRedCatに期待するしか無いとは思いますが、遠征ですから予定通りに2台体制で撮影を開始しました。当然ですがガイドも暴れまくっていました。

      クリスマスツリー周辺
クリスマスツリー周辺web
      RedCat51(250mm)Astrodon Hα(5nm)OⅢ(5nm) Filter
      ASI6200MMPro Gain:100 Ofset:50 -20°C
      Hα:5min x 15 OⅢ:5min x 16
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:Puls Gude
      Software:Pixinsight、BXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

       バラ星雲
バラ星雲web
      ε-160ED+εExtender160ED(800mm)IDAS NBZ Filter
      ASI2600MCDuo Gain:100 Ofset:50 -20°C
      5min x 47
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:Puls Gude
      Software:Pixinsight、BXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

結果的には、ソフトウェアの威力と言いますかBXTを強めにかけて何とか見られるかな・・・と言った所です。バラ星雲中央付近の輝星は拡大すると違和感がありますが、仕方が無い状況だと思います。一応、目的の被写体は撮影できたので一応満足。しかし今回は寒かった~。山を下りた所の気温が-13℃でしたので、多分-15℃は超えていたと思います・・・

1月16日追記
Abell85の画像処理で使用したNoiseXTerminatorについて手持ちのソフトで比較検討してみましたので結果をアップします。
ノイズ対策は基本的には加算する画像の枚数を増やす(撮影時間を増やす)ことになりますが、遠征組としては厳しい面があるので場合によってはノイズ軽減ソフトの使用もありかと思います。そこでRC AstroのNXTに期待感が強かったので試してみました。
比較検討したソフトは、Dfine2(もとはGoogleが無償提供していたNicCollectionに含まれる機能で現在はDxOで有償提供)とPhotoshopのフィルター機能の中のノイズ低減の2種。条件として星像の変化が極力少ないポイントを選んで実行しています。
      原画
ノイズテスト原画
      Photoshop
ノイズテストPS
      Dfine2
ノイズテストDf2
      NXT
ノイズテストNXT

パラメーターの設定でも大幅に変わりますし、ノイズの種類でも変わってきますので、あくまでも参考と言う事で見て頂ければと思います。

私の赤道儀コントローラー(TitanTCS)が初期型でしたので、ASCOM接続にはコントローラー(TitanTCS)のVersionUP(ファームウェア)が必要というメーカーからの回答がありましたので、早々にVersionUPを実施してみました。TitanTSCのシリアル端子(モジュラージャック4極4芯)とパソコン(USB)を接続する為のアダプターが必要でしたので新規に制作しました。
image0
現在のVersionが1.7.1でしたので若干心配な所もありましたが、一気に3.5.2にUPしてみました。結果としてUpdateは Successful で終了しましたので一段落。早々にテストしてみた所、一応、ステラナビ上でASCOMの操作PADが現れて、赤道儀のコントロールが出来るようになりました。
多分、上手く行ったと言う事で、12月8日に嬬恋に遠征して実際にパルスガイドが出来るかテストを実施しました。今回は主鏡筒、ガイド鏡筒の取り付けを変更してε-160EDの上に微動雲台(K-ASTEC XY-60)を介してRedCat51を同架し、従来のガイド鏡は主鏡の横に設置してみました。(パルスガイドが不発だった場合の抑えとして)
問題はPHD2とTitanTCSとの接続ですが、結果としてキャリブレーション、ガイドの両方とも問題なく動作し順調にスタート出来ました。
image2
今回のターゲットはSh2-223、224をε-160EDでSh2-221、216をRedCatで狙うと言う事で、特に淡い被写体なので、一晩中各鏡筒1被写体を撮影する計画でスタートしました。手順としては主鏡筒を自動導入で被写体(Sh2-223、224)を入れてから、Sub鏡筒に次の被写体(h2-221、216)を微動雲台を動かして導入し、その後でSub鏡筒をGuide鏡として併用する事になります。
と言う事で同時に撮影開始したのですが・・・

      Sh2-223、224(AOO)
Sh2-223_224web
      ε-160ED+Astrodon Hα(5nm)OⅢ(5nm)Filter
      ASI6200MMPro Gain:100 Ofset:50 -20℃
      Hα:5min x 32 OⅢ:5min x 42
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:RedCat51 ASI 2600Duo Sub Camera PHD2
      Software:Pixinsight、Photoshop、FlatAidPro、StellaImage

主鏡筒は自動導入なので問題ありませんが、Sub鏡筒の被写体がSh2-216、221で非常に淡いので画角の確認が不十分だった結果、大幅に外してしまった事を撮影途中に気が付きました。ガイド鏡も兼用しているので途中で動かせず、結果としてトリミングしてSh2-221のみの画像としました。更にCoolerを入れ忘れるというおまけ付きでした。

      Sh2-221
Sh2-221web
      RedCat51+ IDAS NBZ Filter
      ASI 2600MCDuo Gain:100 Ofset:50 
      5min x 77
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:RedCat51 ASI 2600Duo Sub Camera PHD2
      Software:Pixinsight、Photoshop、FlatAidPro、StellaImage

今回ガイド鏡として使用した鏡筒の焦点距離が250mmで従来使用していたGT-40が240mmとほぼ同程度でしたのでパラメーターを変更はしませんでした。結果としてパルスガイドでも同程度のガイド精度で撮影が出来ることが確認できました。(数値で押さえて無く感覚的ですが)
また、RedCatの撮影用にNBZ Filterを使用しましたが、ガイドカメラの画像もこのフィルターの透過光が入りますので減光される訳です。感度を上げて対応しましたが、場合によってはガイド星が見つけにくい事があるかも知れません。長焦点の鏡筒を使用しても同様の問題がありますね。

従来のガイドとパルスガイドを比較した場合、ガイドケーブルが不要な点は明らかですがガイド信号自体には差が無いように思います。撮影鏡筒の焦点距離や画角、Filterの有無で左右されることになりますので、撮影状況に合わせt選択する事になるのかな、と思います。



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