12月24日に北関東方面の天候が良さそうでしたので、早々にRaのファーストライトに挑戦してきました。その裏には、年末年始は時間が取れそうにないので、早めに・・・と言う状況でした。

北関東と言っても、海に近いと風が強そうなので内陸かな・・・と言う事で、多くの方が使われている例の丘へ初めて行ってみました。(都内を横断するのでちょっと時間はかかるのですが) まだ明るいうちに現地に到着したのですが、私一人でしたので、“本当にこの場所?” とか思いながら準備を開始しました。結局撮影中、通して私一人でした。

何を撮るか・・・と言う事ですが、ベースモデルからの主な変更点はIRcutフィルターになりますので、ゴースト発生状況、Hαの透過特性が判る様な被写体と言う事で考えてみました。

       M45
M45周辺web
        FSQ130ED+F3Reducer
        EOS Ra  ISO1600  
        120 Sec x 32

       オリオン座散光星雲
オリオンweb
        FSQ130ED+F3Reducer
        EOS Ra    
        ISO1600:120 Sec x 32  ISO100:60 Sec x 29

        クリスマスツリー周辺
クリスマス周辺web
        FSQ130ED+F3Reducer
        EOS Ra  ISO1600  
        120 Sec x 32

処理プロセス
 ダーク減算なし、StellaImageでFlat カブリ補正、Photoshopで現像 強調 カラー調整

Raを使った印象は、
1、Hαの透過率が期待していたほど高くなかったと言う事です。結果的にかなり強い強調処理をすることで何とかなりましたが、画面全体がざらついてしまいました。これは他にも原因はありますが、冷却CCDでは無い症状でした。
2、ゴースト、特に揮星の周りに出る傘の様な症状はありませんでした。一般的にはデジイチを天体改造した場合に多く発生する症状だと認識しています。2015年のCANPでニコンの方もD810aの開発で大変苦労した部分と発表されていましたし・・・
3、ダーク減算はしませんでしたが、熱雑音とか輝点が非常に少なく、非冷却でも全く問題はないと思いました。

今回は、テストの意味が強いので、サクサクっと短時間で撮っていますので、作品としては不十分ですが、6D冷却改造と比較しても十分に使えて冷却の手間が無く軽量なので使いやすいと言う印象を得ることが出来ました。

注意点
1、画像のざらつきですが、PhotoshopCC2019でRAWファイルをTiffに変換した段階で少しですが発生しているのが確認できました。同じ症状が6Dでも発生していました。Canon製のDPPでは発生していないので、この正月休みにでも再処理してみたいと思っています。何種類かの現像ソフトを使って来ましたが、ソフトごとに画質の違いがありますので要注意ですね。
2、Flat画像にセンサーの窓枠による蹴られが画像の上下端で見られました。この症状は星ナビ2月号で中西さんも書かれていましたが、一概にカメラだけの問題では無く、光学系の影響も大きいと思います。

        フラット画像(FSQ130ED+F3Reducer+EOSRa)
明32平均web
光学系が像側テレセントリックになっていればセンサー全面に対し光線は直角に入射しますので蹴られることは無いのですが、望遠鏡等の光学系はそのような設計はされていないと聞いていますので、色々の蹴られが(特にReducer使用時)発生したと思われます。 逆にデジタル対応の撮影レンズは対応が取れているはずなので、改めて蹴られない事を検証してみたいと思います。

今回、今年最後のアップになると思います。今年ブログの移行などいろいろありましたが、見に来てくださった方々、コメントを頂いた方々、この一年ありがとうございました。来年もまた宜しくお願い致します。