星より機材

天体写真いつまで経っても暗中模索

2019年12月

12月24日に北関東方面の天候が良さそうでしたので、早々にRaのファーストライトに挑戦してきました。その裏には、年末年始は時間が取れそうにないので、早めに・・・と言う状況でした。

北関東と言っても、海に近いと風が強そうなので内陸かな・・・と言う事で、多くの方が使われている例の丘へ初めて行ってみました。(都内を横断するのでちょっと時間はかかるのですが) まだ明るいうちに現地に到着したのですが、私一人でしたので、“本当にこの場所?” とか思いながら準備を開始しました。結局撮影中、通して私一人でした。

何を撮るか・・・と言う事ですが、ベースモデルからの主な変更点はIRcutフィルターになりますので、ゴースト発生状況、Hαの透過特性が判る様な被写体と言う事で考えてみました。

       M45
M45周辺web
        FSQ130ED+F3Reducer
        EOS Ra  ISO1600  
        120 Sec x 32

       オリオン座散光星雲
オリオンweb
        FSQ130ED+F3Reducer
        EOS Ra    
        ISO1600:120 Sec x 32  ISO100:60 Sec x 29

        クリスマスツリー周辺
クリスマス周辺web
        FSQ130ED+F3Reducer
        EOS Ra  ISO1600  
        120 Sec x 32

処理プロセス
 ダーク減算なし、StellaImageでFlat カブリ補正、Photoshopで現像 強調 カラー調整

Raを使った印象は、
1、Hαの透過率が期待していたほど高くなかったと言う事です。結果的にかなり強い強調処理をすることで何とかなりましたが、画面全体がざらついてしまいました。これは他にも原因はありますが、冷却CCDでは無い症状でした。
2、ゴースト、特に揮星の周りに出る傘の様な症状はありませんでした。一般的にはデジイチを天体改造した場合に多く発生する症状だと認識しています。2015年のCANPでニコンの方もD810aの開発で大変苦労した部分と発表されていましたし・・・
3、ダーク減算はしませんでしたが、熱雑音とか輝点が非常に少なく、非冷却でも全く問題はないと思いました。

今回は、テストの意味が強いので、サクサクっと短時間で撮っていますので、作品としては不十分ですが、6D冷却改造と比較しても十分に使えて冷却の手間が無く軽量なので使いやすいと言う印象を得ることが出来ました。

注意点
1、画像のざらつきですが、PhotoshopCC2019でRAWファイルをTiffに変換した段階で少しですが発生しているのが確認できました。同じ症状が6Dでも発生していました。Canon製のDPPでは発生していないので、この正月休みにでも再処理してみたいと思っています。何種類かの現像ソフトを使って来ましたが、ソフトごとに画質の違いがありますので要注意ですね。
2、Flat画像にセンサーの窓枠による蹴られが画像の上下端で見られました。この症状は星ナビ2月号で中西さんも書かれていましたが、一概にカメラだけの問題では無く、光学系の影響も大きいと思います。

        フラット画像(FSQ130ED+F3Reducer+EOSRa)
明32平均web
光学系が像側テレセントリックになっていればセンサー全面に対し光線は直角に入射しますので蹴られることは無いのですが、望遠鏡等の光学系はそのような設計はされていないと聞いていますので、色々の蹴られが(特にReducer使用時)発生したと思われます。 逆にデジタル対応の撮影レンズは対応が取れているはずなので、改めて蹴られない事を検証してみたいと思います。

今回、今年最後のアップになると思います。今年ブログの移行などいろいろありましたが、見に来てくださった方々、コメントを頂いた方々、この一年ありがとうございました。来年もまた宜しくお願い致します。

今回、久しぶりに予約買いをしてしまいました。何かというと・・・

        EOS Ra
IMG_5854


丁度12月5日発売で、早々に購入してきました。実際の天体撮影は月齢の関係で少々先になりますが、先ずは簡単な比較のテストを行ってみましたのでアップしてみようと思います。

1、ダークノイズ比較
  天体撮影用としてフルサイズの一眼はEOS6D冷却改造を使っていますので
  それとの比較をしてみます。先ず6D非冷却、6D冷却、Raの順でアップします。
  尚、撮影条件はISO 25600で3分露光し、再生画像はカメラ内現像のjpegを
  Photoshopで強調(ヒストグラム0~50の部分を0~255に拡張)しています。
  またアップの際にリサイズしています。

         6D非冷却
6DNomal
          6D冷却
6DCooled
          Ra
Ra

結果は御覧の通りで、Raはそれなりに進化していますね。冷却無しでも全く問題ない様に思います。

2、通常撮影の比較
  メーカーは、通常撮影はお勧めしないと警告を出していますが、それはそれと
  して、EOS5D(Normal)と比較してみました。撮影条件はISO 640、P (5D)
  C1(Ra)、W/B Auto で撮影してPhotoshopでリサイズしています。尚、
  個人情報が入っているとまずいのでボカシてあります。左側Ra、右側5Dです。
比較1
  この写真では空の色と紅葉の葉の色が多少異なって見えますがその程度
  に収まっていました。
         
と、言う事でご参考まで。 ファーストライトが楽しみです。

最近、天候が安定して来ているので、久々の2連チャンに挑戦してきました。

1日目(29日)、関東北部が悪天候の予想となっていたので南西方向の朝霧高原で撮影を計画したのですが・・・  いつものアリーナ駐車場(上段)へ到着してみると、翌日にお行われるドッグイベントの為閉鎖されていて、下段に移動してから設置をすることになってしまいました。既に設置されていた方がいて、その方々は早々に撤収作業を始めて居られました。想定はされましたが、下段に車が集中して、更には撮影中も車の出入りが多く、お世辞にも良い環境とは言えませんでした。
9時ごろから撮影を開始しているところに、モカのパパさんから連絡が入り、嬬恋は雪がちらついているとのことで、天候面では良い選択だったようですね。

       IC410
IC410-2web
        FSQ130ED+Astrodon LRGB
        QHY16200 -20℃  
        L:5min x 10 、RGB:5min x 4(2x2ビニング)

       NGC2170周辺
NGC2170web
        FSQ130ED+Astrodon LRGB
        QHY16200 -20℃  
        L:5min x 18 、RGB:5min x 8(2x2ビニング)

結果論ですが、悪い環境の中で撮影したにも関わらず、仕上げてみると、結構良かった様に思います。シーイングはそこそこよかったし・・・
ところで、隣で撮影されている方と話している中で、私が明日嬬恋で撮影予定であることを話したところ、その方は昨日天城高原で撮影していたという事で、同じ2連チャンの方でした。久しぶりの晴れ間なので皆さん頑張っているご様子がありありでした。


2日目(30日)、明け方機材の撤収を終えてから早々にモカのパパさんの基地に向かって移動開始。実は、途中で一旦自宅に帰って休もうかとも考えたのですが、高速の東京方面上りの渋滞が15kmと出ていたので、諦めて圏央道で関越に向かって方向転換。車両がPHEVなので途中充電しながらのんびりと移動して行き、お昼過ぎに基地到着しました。4時ごろモカのパパさんと基地を出て、嬬恋に向かいました。

       M45
M45web
        FSQ130ED+Astrodon LRGB
        QHY16200 -20℃  
        L:5min x 13 、RGB:5min x 4(2x2ビニング)

       馬頭星雲周辺
馬頭・燃える木2web
        FSQ130ED+Astrodon LRGB
        QHY16200 -20℃  
        L:5min x 10 、RGB:5min x 4(2x2ビニング)

定番の構図なので、きちっと撮ろうと思っていたのですが、途中から急激にシーイングが悪くなってしまいました。ガイドは暴れるし撮影結果はボケボケになってしまい、まだ撮影時間はあったのですが、途中で引き揚ることにしました。(その中で撮影したのが馬頭星雲ですが、かなり甘いですよね)
疲労も積み重なってきていたので程ほどで引き揚げるのが無難だったかもしれませんね。

と言う事で、お疲れさまでした。

モカのパパさん、ありがとうございました。

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