星より機材

天体写真いつまで経っても暗中模索

3月9日、南方面の天候が良さそうでしたので、湯河原の星が山公園に向かいました。首都圏の明かりとか直下の真鶴町の明かりが入って来るのですが、この時期にも拘らず、気温が暖かく作業が楽なので何よりです・・・ 季節柄、被写体は銀河と言う事で、M64とM104を想定して、前回同様ε-160ED+ダブルエクステンダーで行こうと思っています。併せてRedCat51で銀河団が撮れればと思っていましたが、、、
前回同様にASCOMで接続しようとしたところ、赤道儀が繋がらない現象が発生!色々と試してみたのですが動かず、ネット環境もないので敢え無く撤収となりました。

翌日、動作チェックを進めたところ、何とパソコンの無線関連のスイッチ(ハード)がオフになっているのが見つかりオンにして動作確認が出来ました。(現地ではなかなか気が付かないですね)とにかく気を取り直して同日再出発しました。3月10日、北方面の天候が良さそうでしたので、ハルのパパさんと連絡を取り軽井沢へ向かいました。
早々に機材を組み上げて先ずはM64が上がって来るのを待っている間にFlat画像撮影。20時頃からM64撮影開始。今回はCanonのExtenderを1.4⇒2.0に変更して焦点距離1600㎜(F=10)にして撮影してみました。
      M64
M64-3Web
      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF2.0xⅢ Astrodon LRGBFilter
      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C
      L:5min x 9 RGB:各5min x 4
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:RedCat51 + ASI2600Duo + PHD2
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

L画像は撮影開始から25枚撮影していたのですが、地上の光とか迷光なのか分りませんが、バックにむらが発生してしまい、後半の9画像だけを使用して仕上げています。それ以外は特に問題はありませんでしたが、長焦点と言う事でガイドの影響が大きく出ていたので、今後の課題でだと考えています。
      M104
M104web
      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF2.0xⅢ Astrodon LRGBFilter
      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C
      L:5min x 22 RGB:各5min x 4
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:RedCat51 + ASI2600Duo + PHD2
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

M104を撮影する間におとめ座銀河団を撮影する予定でRedCat51を載せる雲台の角度を事前に家で設定してきたのですが、撮影された画像を見てびっくり。全く違う方向を向いているのが判明しました。多分、赤経と赤緯を間違えたと思われます。まだまだですね。

この新月期はなかなか安定した天候にならず、新月を過ぎた丁度三日月の日にハルのパパさんと連絡を取って嬬恋村に向かいました。今回はε-160EDでマンドリルを、同荷するRedCat51でカモメ周辺を撮る予定にしていました。以前マルさんにアドバイスを頂いた『事前に緯度経度の違いを調べておいて2台目の導入を確実にする』の為に事前に調整した雲台を用意して行ったのですが・・・
嬬恋と言っても撮影ポイントは何か所かはありますが、前日までの雪の影響を考えて除雪された道路わきを選ばざるを得ない状況でした。しかし南方向に森があってちょっとマンドリルは厳しそう。早々に予定を変更して、銀河狙いとしました。結果として、まずはNGC2403、その後にM63の撮影を行いました。
構成としては、ε-160EDにεエクステンダー160EDを取り付けEOSマウントを介して、更にキヤノンのExtender EF1.4xⅢ取付けてASI183MMProで撮影する、焦点距離1120mm、F値7.0の撮影系になります。この構成は過去にも銀河の撮影で実績がありますので躊躇なくシステム変更開始しました。
      NGC2403
NGC2403web

      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF1.4xⅢ Astrodon LRGBFilter

      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C

      L:5min x 32 RGB:各5min x 3

      Mount:CLUX200HDA

      Guide:GT-40 + Ultrastar + PHD2

      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

      M63

M63-2BXTNXTweb

      ε-160ED+εExtender160ED+ExtenderEF1.4xⅢ Astrodon LRGBFilter

      ASI183MMPro Gain:111 Ofset:10 -20°C

      L:5min x 16 RGB:各5min x 4

      Mount:CLUX200HDA

      Guide:GT-40 + Ultrastar + PHD2

      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage


この日はシーイングも良く、結果として銀河に変更して良かったように思います。エクステンダー2本で無理やり焦点距離を伸ばしているので期待はしていなかったのですが、シーイングのほうが影響が大きかった様ですね。と言う事でM63の画像をトリミングしてみました。
M63-2BXTNXT-2web
実は10年前に8インチのシュミカセで撮影しているのですが、時代の進歩を感じました。

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

丁度新月に当たる11日の天候が良さそうでしたので、ハルのパパさんと連絡を取って撮影に行くことにしました。今回も前回同様ε-160EDの上にRedCat51を載せて、バラ星雲とクリスマスツリーを狙う予定にしています。またカメラもASI2600MCDuo を使用するのでパルスガイドを行います。但しガイドはε-160EDで行うのでガイドの状況は前回のRedCatとは変わってくると思われます。

と言う事で機材をセットして、バラ星雲を撮る前に2時間ほどAbell85(超新星残骸)を撮影しました。淡い被写体なので2時間では足りないのですが、初めての撮影となるのでお試しと言う事でスタートしました。尚、今回NoiseXTerminatorを試用してみましたが結構良さそうです。

      Abell85
Abell85web-2
      ε-160ED+εExtender160ED(800mm)IDAS NBZ Filter
      ASI2600MCDuo Gain:100 Ofset:50 -20°C
      5min x 24
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:Puls Gude
      Software:Pixinsight、BXT、NXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

パルスガイドは、一応想定していた通りに順調に進みました。GT-40 の240mmからε-160EDの800mmに変わった為、ガイドの振れ幅は大きくなりましたが問題なくガイドしていたようです。引き続きバラ星雲をε-160EDに導入し、同時にクリスマスツリー周辺にRedCat51を例によって雲台を調整して導入。比較的明るい被写体なので前回のような画角を外すことはありませんでした。
スタートしてみると星像が甘くなっていたのでピントを合わたのですが・・・ バーチノフの回折光が出ないほどシーイングが悪い状況になっていました。この様な時は短焦点のRedCatに期待するしか無いとは思いますが、遠征ですから予定通りに2台体制で撮影を開始しました。当然ですがガイドも暴れまくっていました。

      クリスマスツリー周辺
クリスマスツリー周辺web
      RedCat51(250mm)Astrodon Hα(5nm)OⅢ(5nm) Filter
      ASI6200MMPro Gain:100 Ofset:50 -20°C
      Hα:5min x 15 OⅢ:5min x 16
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:Puls Gude
      Software:Pixinsight、BXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

       バラ星雲
バラ星雲web
      ε-160ED+εExtender160ED(800mm)IDAS NBZ Filter
      ASI2600MCDuo Gain:100 Ofset:50 -20°C
      5min x 47
      Mount:CLUX200HDA
      Guide:Puls Gude
      Software:Pixinsight、BXT、FlatAidPro、Photoshop、StellaImage

結果的には、ソフトウェアの威力と言いますかBXTを強めにかけて何とか見られるかな・・・と言った所です。バラ星雲中央付近の輝星は拡大すると違和感がありますが、仕方が無い状況だと思います。一応、目的の被写体は撮影できたので一応満足。しかし今回は寒かった~。山を下りた所の気温が-13℃でしたので、多分-15℃は超えていたと思います・・・

1月16日追記
Abell85の画像処理で使用したNoiseXTerminatorについて手持ちのソフトで比較検討してみましたので結果をアップします。
ノイズ対策は基本的には加算する画像の枚数を増やす(撮影時間を増やす)ことになりますが、遠征組としては厳しい面があるので場合によってはノイズ軽減ソフトの使用もありかと思います。そこでRC AstroのNXTに期待感が強かったので試してみました。
比較検討したソフトは、Dfine2(もとはGoogleが無償提供していたNicCollectionに含まれる機能で現在はDxOで有償提供)とPhotoshopのフィルター機能の中のノイズ低減の2種。条件として星像の変化が極力少ないポイントを選んで実行しています。
      原画
ノイズテスト原画
      Photoshop
ノイズテストPS
      Dfine2
ノイズテストDf2
      NXT
ノイズテストNXT

パラメーターの設定でも大幅に変わりますし、ノイズの種類でも変わってきますので、あくまでも参考と言う事で見て頂ければと思います。

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